こんにちは、獣医師の藤原(嫁)です。
夏も本番、毎日酷暑が続いていますね。
そんな暑さもなんのその、今年も我が家では子供達の育てている昆虫達が日々すくすくと育ち、無事に成虫へと羽化しております。
5月中旬、丸々と太った幼虫達
6月中旬には人工蛹室(トイレットペーパー芯)で前蛹に
7月上旬、蛹に
そして、無事に成虫に、、、
そんなカブトたちと同じく昆虫の仲間でありながら、厄介者なものがノミ(蚤)です、、、
冬(1~3月頃)を除いて年中発生し、特に活動が活発になるのが7~9月と言われています。
ノミは、主に人・イヌ・ネコの血を吸って生活しており、同じ吸血昆虫でも、フィラリア症を媒介する蚊は産卵のためにメスだけが吸血するのに対して、ノミはメスもオスも吸血するのが特徴です。
近年では、飼い主様の意識も高まり、フィラリア予防シーズンと並行してノミダニ予防も5月から12月まで実施される方がほとんどです。
せっかく毎月継続的にきちんと投薬して予防と駆除を行うのですから、当然薬の効果がしっかりと出てくれなければ意味がありません。
そこで、薬の効果という面で、お伝えしたい注意事項があります。
それは市販薬についてのお話です。
ペットショップやホームセンター等で購入できるような市販のノミ・ダニ予防薬(駆除薬)はあまりおすすめできません。
こういったお店で購入できる市販薬は、動物用医薬部外品といって、作用が緩和で比較的安全であるとされている薬です。
つまり、動物病院で処方するお薬と比べると、副作用などのリスクは弱いけれど薬の効果も低いものであるということです。
ノミやダニなどの寄生虫は一旦寄生してしまうとたった数日で何十匹にも増えてしまいます。
そのため、とにかく100%駆除し、しっかりと予防しなければなりません。
市販のノミ・ダニ予防薬(駆除薬)は、元々の薬効が低い上に、効果が半減する期間も非常に短いため、容器に「効果が1ヵ月持続」と書かれていてもその効果は非常に低いものとなります。
しっかりとした効果を得られることを考えれば、動物病院で処方する薬は決して高額ではないかと思います。
当院のノミに対する駆除・予防薬には、食べる(内服する)チュアブルタイプと、つける(滴下する)スポットタイプの2種類があります。
また、先発品とジェネリック医薬品をお選びいただけます。
どのタイプのお薬にするかで迷われている方は、受付もしくは診察時に獣医師にご相談くださいね。
最後は、偶然遭遇したセミの羽化の写真で締めたいと思います。
息をのむような神秘的な光景に子供以上に引き込まれてしまい、時間が経つのも忘れてしまいました(笑)
早朝から騒々しく鳴きっぱなしのセミたちそれぞれにも、こんなドラマティックな羽化シーンがあるのですね、、、
今回のコラムはまるで小学生の昆虫観察のようになってしまいましたが、以上で締めたいと思います。